『10歳差の結婚はお金がキツイ』は本当か。ざっくり検証してみた

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 付き合っている人が10歳上だったり、15歳上の男性とのお見合いを考えているといった事情で‘‘年の差婚についての情報‘‘が気になっている方はいませんか?

年の差婚の場合、周りにそのことを話すと『将来お金で苦労するよ』などと心配の声をかけられることが少なくありません。 

巷で囁かれる『歳が離れた人との結婚は金銭面での苦労が伴う』というウワサは果たして本当なのか……。 

マネーモンロー編集部が年の差結婚を視野に入れるアナタのために『年の差婚の本当のトコロ』を検証していきます。

 

『10歳差の結婚はお金がキツイ』って本当?

そもそも『年の差』って何歳から?

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  みなさんは『歳の差のある結婚』と聞くと一体何歳ぐらいの差を思い浮かべるでしょうか? 

この問いに対してある人は『7歳ぐらいかな』と答え、またある人は『15歳以上』と答えるなど、その答えは人によってまちまち。 

このように、『歳の差婚』には明確に何歳以上の年の差かという定義はありません。 

ただし、マネーモンロー編集部が独自に行ったアンケートによると、一般的に10歳以上の差がある状態を『年の差婚』だと認識する人が多いというデータがあるため、今回は『10歳差』を一つの目安として進めていきます。  

 

 

 『年の差婚』が反対される理由のひとつは『お金』

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友人や会社の人に彼との年の差が10歳以上であることを話した時に、『結婚すると将来お金で苦労しそう……』と言う言葉をかけられたり、または家族から『歳の差のある結婚』自体を反対された方も中にはいるのではないでしょうか?

こういったことは言われる側にしてみれば余計なお世話にも感じますが、相手は将来的にあなたにふりかかるデメリットを心配して冷静に言ってくれていることがほとんどです。

 第三者の意見というのは意外と結婚してしばらくたってからジワジワとあたり始めることも多いもの。 

ここはいちど冷静になって『歳の差結婚をした場合に起こる出来事』を予測してみましょう。 

おそらくあなたの結婚に反対意見をぶつけてきた人ほどこれから書くことを真剣に見通している可能性があるはずです。

 

まず、『10歳差の結婚』で起きることを考えてみる。

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 同い年の人と結婚しても、年上と結婚しても、その年代なりの大まかなメリット・デメリットは存在します。

 もちろん個人差があるので一概に決めつけられるものではありませんが、『おおむねの傾向』として、頭に入れておいて損はありません。

 ここでは、『10歳上の男性と結婚した場合』と仮定して結婚生活で起こりうるメリット・デメリットを解説していきます。

 

10歳差の結婚で起こること~メリット編~

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1.結婚、出産を早くに経験できる
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仮に23歳の男女が付き合った場合を想像してみましょう。 

23歳というと、男性はまだ社会人一年目程度の年齢ということもあり、女性の妊娠などのきっかけなしに結婚を考える人は一般的にまだ少ない時期です。 

仮に高校卒業後すぐ社会人になった男性でも、『23歳での結婚は早すぎる』と考えて結婚に向けて真剣に動いてくれないことも珍しくありません。 

一方で10歳上の男性は、女性が23歳の時点ですでに33歳。 

33歳というとまわりの友人たちは結婚して子供がいることも少なくない年齢である上、社会経験も10年程度になって収入の見通しが安定的に立っているだけでなく、『子供を持つこと』『家を持つこと』を考えるのであればそうゆっくりもしていられない年齢です。

 

そのことから、10歳上の男性と交際した場合、23歳の女性側のペースに合わせるというよりは33歳の男性側のペースに合わせて物事が進んでいくことが多いと言えます。

 

10歳上の男性のペースに合わせた場合、女性側から見ればまわりの友人たちよりも10年早く『結婚』『出産』『家を持つこと』を経験することも少なくなく、友人たちから羨ましがられるかもしれません。

 

また、結婚時点での女性の年齢にもよりますが、『10歳差の結婚』で若いうちに妊娠・出産を経験した場合、体力的に余裕のある状態で育児に臨めるだけでなく、10歳上の配偶者の経済力のおかげで子供がある程度大きくなるまでは『専業主婦』として育児に専念出来たり、育児をラクにするためのグッズやサービスをケチらずに購入できる経済的余裕にも精神的にとても助けられるというオマケ付きです(!?)。

 2.余裕のある生活ができる

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単純に考えて10歳年上の男性は『10歳年下の男性より収入が高い』ことが考えられます。そのため、同年代や年下の男性と結婚するよりも結婚のスタート時点から比較的経済に余裕のある暮らしを送ることができるでしょう。 

また、お金に余裕があるということは妻が時短のパートや専業主婦になるなど、『ライフスタイルの選択肢』をより多く持つことにもつながります。 

『共働きをしなければ生活できない』という呪縛からは解放され、『選びたい道を選ぶ』ことができ、ストレスの少ない日常生活を手に入れられる可能性が高くなります◎。

 

  3.結婚と同時に家を建てるケースも!

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家を建てる場合、「住宅ローン審査」に通ることが非常に重要となりますが、この「住宅ローン審査」は、長期かつ高額なローンであるため、数多くあるローンの中でも最も審査が厳しいと言われています。 

住宅ローンの審査に通るためには最低でも「安定した収入」と「何年もの勤続実績」が必須です。 

そのため、仮に社会人1年目にして超・高給取りの夫がいたとしても、その男性には「継続して積み重ねた勤務年数」の実績がないため、住宅ローン審査に通ることはハッキリ言ってしまえば無理でしょう。 

その点、10歳上の彼氏には「これまでに積み上げてきた勤続実績」があります。 

ローン審査では一時的な高収入よりも毎月の安定した収入、長く勤めた実績など『安定』『信頼性』が重要視されるため、10歳上の男性であれば結婚に間に合わせるようにタイミングを見計らって住宅ローン審査を通過し、土地や家の購入に動き出すことも無理ではありません。 

もし結婚と同時に家を購入できれば、夫の定年までに毎月少額ずつローンを返済することが可能になり、中年になってからマイホームを購入した場合と比較して毎月のローン返済の負担が軽減されるだけでなく、育児も『マイホーム』で気兼ねなく行うことができます。 

自分たちの所有する家で育児を行うことが出来れば、賃貸物件のように子供の夜泣きで隣人に迷惑がかかることを心配したり、小さな子供に部屋を汚させてはいけないという強迫観念から解放され、心の負担もだいぶ減るでしょう。

 

4.義理両親に育児の手助けをしてもらいやすい環境

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ひと昔前、まだ日本に専業主婦が多かった時代であれば『50代の義母』にも育児の手助けをする余裕があったかもしれません。でも、現代の『50代』というと、夫婦そろって正社員として働いているケースも珍しくありません。 

そのため、例えば20代同士で結婚した場合、仮にどちらの両親も50代だったとすると、『緊急時に孫の面倒を見られる祖父母』がゼロということもあります。 

特に若い夫婦の場合、経済的余裕がなく共働きをしているケースが多いことから、『子供が熱を出して保育園での預かりを断られたが、他に預け先がない』『気軽に育児の相談をできる育児の先輩がいない』という状況では、だんだんと両親の立場だけでなく、精神状態も悪くなってしまうでしょう。 

その点、『10歳上の夫』の場合、状況によっては夫側の両親のどちらかがすでに定年退職しているなど、若い世代の親御さんよりも『孫の面倒を見られる状況にある可能性』が少しだけ高くなります。 

現代では70代でも働いている人がいることを考えるとこれは『絶対』ではありませんが、その可能性は『やや高い』と考えて良いでしょう。

 

10歳差の結婚で起こること~デメリット編~

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1.働ける残り時間が短い(10年早く定年が来る)

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10歳の年の差のある人と結婚するという事は、すべての事が10年前倒しになるということです。それは良い事だけではなく、悪い面でも同じです。 

10歳上の夫は、自分と同年代の夫よりも当然ですが『10年早く定年退職を迎えます』。 

そのため、例えば子供が高校や大学へ進学したタイミングなど、『今からが一番お金がかかる時期なのに……』というタイミングで定年退職を迎える可能性もあり、この点がまわりの多くの人が心配の言葉をかけてくる大きなポイントです。 

ただし、自分の夫が10歳年上であるという事は最初から分かっている情報で、いわば『前もって対策を考えておくことが可能な条件』と言えます。 

逆に最初から分かっているのであれば、夫の定年が10年早く来ることを念頭に置いてお金の計画をすれば、かなりの事は乗り切れるはずです。

 

2.相手のペースですべてが決まりがち

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相手を好きで付き合っていても、『今すぐ結婚したい』と思うかどうかはその人によって違うように、仮に結婚しても『すぐに子供をもちたいか』『すぐに家を持ちたいか』など、その人によって感覚が違うのは当然です。 

例えば23歳の女性にしてみれば『ゆっくり2人きりの生活を楽しんでから5年後に子供を持ちたいな』『マイホームの購入も何年か情報を集めてからにしたい』など、あまり焦りたくない気持ちがあったとしても、男性が10歳上の場合は女性に合わせてゆっくりできない可能性もあります。 

『定年までに確実に住宅ローンを払い終えるためにも早く家を購入したい』と言うかもしれませんし、『子供を大学まで行かせることを考えると自分が35歳になるまでに子供が欲しい』『親が70代なので早く孫の顔を見せたい』など、33歳の夫側のペースに合わせて物事が決まることが自然と多くなるでしょう。 

もちろんこれで妻側も不満がなければそれで問題ありませんが、本当は自分はそうしたくないのに相手の都合に合わせるばかりでは後々後悔する可能性も大きいため、意見が食い違う場合は早い段階でじっくり話し合ってお互いの意見をすり合わせておきましょう。

 

3.早い段階で家の改修が必要になる!?(お金の工面が大変かも)

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 先で『10歳上の人と結婚すると色々なことが10年ぶん前倒しになる』と書きましたが、早い段階で家を建てることができる半面、『家の改修工事』も早い段階で必要になります。 

家を新築した時に妻が23歳、夫が33歳だったとして、築10年目、20年目……という区切りのあたりでちょこちょこと家の傷んだ部分を直しつつ、本格的な改修工事が必要になった30数年後にはすでに夫が定年退職し、無職になっているかもしれません。 

これも『子供の進学費用』に通じることですが、やはり事前に分かっていることなのでまだ夫が働いていてお金に余裕がある段階からできるだけ節約しておく、妻も仕事を持って貯金しておくなど、さまざまな工夫で乗り越えることが可能となるでしょう。

 

 4.義理両親の介護、夫の死を10年早く経験する可能性がある

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お金に次いで、まわりの人が心配するとても大きなポイントに『介護問題』『年上の夫の死』があります。 

10歳上の夫の場合、単純に考えると妻の親より10歳ほど年齢が上であることが多いでしょう。 

そのため、同年代や年下の夫と結婚した場合に比べると『10年早く介護が始まる可能性』があります。 

もしそうなった場合、義理両親が要介護になった段階であなたはまだ20代や30代といった若さである可能性もあり、その若い時間を『介護』に捧げることとなるかもしれません。 

また、これもあくまで確率論の話ではありますが、夫が10歳上であれば、将来的に妻より10年は先に死亡する可能性も高いでしょう。 

そのことから、『早くから介護で苦労するのでは?』『夫が死んでから一人で孤独に生きる時間が長くなってしまうのではないか……』という心配があなたを大切に思う人たちの心の中をよぎるのです。 

ただし、ここで書いたことはあくまでも『単純な確率論』であり、実際に義理両親が何歳の段階で介護が必要になるかも実際には分かりませんし、『夫が先に亡くなる』というのも本当にそうなるかどうかは最後まで誰にも分かりません。 

しかし、10歳上の男性との結婚を決めるにあたり、この点はじっくり考えて決断した方が良いと思います。

 

働ける年数が短い=本当にお金で苦労する?

 

【検証】定年までの収入合計を試算してみよう!

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中には、まわりから言われた『10歳上との結婚は後でお金で苦労するよ』という言葉を深く考えず真に受けてしまった人もいるかもしれませんね。

しかしこれは、基本的に同じだけの収入を得ている男性同士を比較した場合に限るということを、みなさんお気付きでしょうか?

例えば、ごく簡単な例をあげてみます。

現在25歳で毎月25万円の給料を受け取っている男性『Aさん』と、35歳で毎月50万円の給料を受け取っている男性『Bさん』がいたとします。(分かりやすくするために賞与、昇給はなく定年までずっと同じ給与とします。)

2人が60歳を定年とする企業に勤務しているとすると、Aさんはあと35年、Bさんは25年働くことになります。それを前提に算出したこの先の収入の合計は下記のようになります。

 

■Aさん(25歳から60歳までの収入合計)…105,000,000円(一億五百万円)

■Bさん(35歳から60歳までの収入合計)…150,000,000円(一億五千万円)

 

2人が今から定年まで働いて得る給与を単純な合計金額として計算しましたが、10歳年上でも収入が高いBさんの方が60歳の時点で得た金額の合計が4,500万円多い結果となりました。

 

結論:最終的に重要なのは若さより『トータルで見た収入』

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上の試算でも分かるように、たとえ10歳年上でも収入が高ければ60歳の時点で10歳年下の人よりも多くの資産を持っているケースは珍しくありません。

上の例では食費も家賃も一切引かずに純粋に合計金額のみを計算しましたが、例えば10歳若いAさんにはこの先子供が3人生まれて10歳年上のBさんには子供がいない、もしくは一人ということであれば途中からAさんの方がより多くの生活費の支出があることが明確です。

また、仮にAさんが趣味や飲み会で散財するクセがあり、Bさんは無駄遣いがほとんど無いタイプだった場合、実際に60歳の時点で手元に残るお金にはもっと大きな開きがあるでしょう。(逆も然り。)

このことから言えるのは、

 

■10歳若い=将来お金がラク、という思い込みは間違い。収入によっては『10歳年上』の方が金銭的に有利な場合も少なくない。

■10歳若い人が金銭面で有利と言えるのは『10歳上の人と同程度に稼いでいる場合』もしくは『年上の人よりも高収入な場合』のみ。

■お金の使い方も重要。若くして高収入を得ていても、散財グセがある場合は長期的にみると不安要素が残る場合も。(最終的に貧乏になる可能性もある)

 

このように、単純に『10歳若ければお金の苦労が減る』とは言い切れないのが現状です。 

金銭面を真剣に考えるなら、『若さ』ではなく『トータルの収入』に焦点をあてましょう。まわりから言われたことを鵜呑みにするのは危険です。

 

最終的にはやっぱり相手を『好きな気持ち』が不可欠

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結婚は夢物語ではなく『一生つづく現実』である以上、お金の要素は決して軽く見ることはできません。

ただし、いくらお金が大事な要素であるとはいえ、『お金だけで』相手を選んでその関係を継続していくことは非常に困難で苦痛です。

今回は『10歳上との結婚はお金で苦しい思いをするか?』を検証する内容であるためお金、お金……と書きましたが、やはり結婚生活では『相手の人間性』『尊敬』がお金と同様に非常に大切な財産であると言えます。

相手が資産家であっても、毎日のように否定的な言葉をかけられたり言い争いが絶えないような関係、相手を尊敬できない関係では1年と持たず離婚するかもしれません。

結婚は『長く続けること』も財産のひとつ。心から大切に思える人がいたなら、ぜひその人と力を合わせて歩みましょう。

 

(文/asami)